知ってるようで分かっていない熱中症メカニズム!

記事内容
  • 1.熱中症は「体の中の冷却装置」が壊れることで起こる
  • 2.体温はどうやって調節されているのか?
  • 3.体の中で何が起きて熱中症になるのか
  • 4.なぜ高齢者や子どもがなりやすいのか?
  • 5.まとめ

1.熱中症は「体の中の冷却装置」が壊れることで起こる

猛暑の日、「外が暑いから熱中症になる」と思われがちですが、実際には体内の温度調節システムの破綻が原因です。体温を一定に保とうとする生理機能が限界を迎えたとき、熱中症は発症します。
このコラムでは、熱中症のメカニズムを医学的に解説しながら、一般の方にもわかりやすくお伝えします。

2.体温はどうやって調節されているのか?

私たちの体は、脳の視床下部という部分がセンサーの役割を果たし、体温を常に36〜37℃程度に維持しています。外気温が上がると、以下の反応が起こります。

  • ・皮膚の血管が拡張し、体表面に熱を逃がす
  • ・発汗し、汗が蒸発するときの気化熱で体を冷やす

この体温調節システムが正常に働いていれば、多少の暑さには耐えられます。しかし、このバランスが崩れると危険です。

3.体の中で何が起きて熱中症になるのか

熱中症の主な原因は、以下の4つのメカニズムに分類されます。

① 熱の産生が放熱を上回る(オーバーヒート)

暑い環境で体を動かすと、筋肉運動によって大量の熱が発生します。通常は汗で放熱しますが、湿度が高いと汗が蒸発せず、熱が体にこもります。その結果、体温がどんどん上昇し、40℃以上になると危険な状態に突入します。

② 脱水と電解質バランスの異常

発汗によって失われるのは水分だけでなくナトリウムなどの電解質含まれます。水分補給が足りない、または水だけを大量に飲んでナトリウムが不足すると、血液量が減少して血圧が低下し、細胞に酸素や栄養が届かなくなります。これによりけいれんや吐き気、倦怠感が現れます。

💡ちょこっと知恵袋:
脱水になるとナトリウムも失われると思われがちですが、実はそうとも限りません。

現象例 Na⁺の変化 脱水タイプ
発汗・水分喪失だけ ↑上昇↑ 高張性脱水
下痢・嘔吐 変化なし 等張性脱水
水だけを大量摂取 ↓低下↓ 低張性脱水

③ 中枢神経の異常

高体温や脱水によって、脳に血液が届きにくくなると視床下部の機能が低下し、体温調節そのものができなくなります。また、脳の神経細胞は熱に弱く、42℃を超えると神経伝達が異常をきたし、意識障害、錯乱、けいれんなどの症状が出ることがあります。

④ 多臓器へのダメージ

体温上昇が続くと、タンパク質が変性し、細胞が壊死していきます。特に筋肉(横紋筋)、肝臓、腎臓、心臓などの臓器はダメージを受けやすく、急性腎障害や肝機能障害を引き起こします。これは入院治療や集中管理が必要な重度の状態です。

4.なぜ高齢者や子どもがなりやすいのか?

  • 高齢者:発汗機能の低下、喉の渇きを感じにくい、心疾患や糖尿病などの基礎疾患
  • 子ども:体温調節中枢が未熟、体表面積が大きく外気温の影響を受けやすい

これらの人々は体内の温度調節システムの破綻体の冷却能力が弱いため、早期の対応や周囲のサポートが必要です。

5.まとめ

熱中症は「暑いからなる」のではなく、体の熱処理能力が限界を超えたときに発症する医学的な病態です。特に、高温・多湿・脱水・運動の組み合わせは危険です。こまめな水分と塩分補給、無理のない行動、休憩と冷却が予防の基本です。

6.当院でできる対応

自律神経バランスチェック

熱中症や脱水状態では、自律神経の乱れが起きやすくなります。
当院では、自律神経測定機器を使用し、交感神経・副交感神経のバランスを客観的に評価します。
測定結果をもとに、疲労や睡眠不足、ストレスによる不調の早期発見と、最適な施術プランの提案が可能です。

手技による疲労回復

  • 鍼灸:消化機能や自律神経の調整をサポート
  • 整体・マッサージ:首肩こり、頭痛、疲労感の緩和
  • ストレッチ指導:体温調節能力を高める軽運動プログラム

熱中症後の体力低下・倦怠感の回復にも有効です。

「ちょっとおかしいかも」と思ったら、我慢せずにご相談ください。熱中症は予防と初期対応が命を守ります。

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