顔面神経麻痺(Bell麻痺)に対する鍼通電療法
顔面神経麻痺とは

顔面神経麻痺(Bell麻痺を含む)は、顔面神経の炎症や浮腫により、片側の顔面筋が動かなくなる疾患です。
主な症状には以下のようなものがあります。
- 片側の顔面の動きが悪い(閉眼困難、口角下垂など)
- 味覚障害、涙や唾液の分泌低下
- 顔面の違和感や重だるさ
鍼通電療法とは
鍼通電療法は、鍼を刺入した後に微弱な電流を流す治療法です。
神経や筋肉への刺激を通じて、自然な回復力を高めることを目的としています。
- 筋肉・神経の刺激による神経再生促進
- 血流改善による炎症軽減と代謝促進
- 顔面筋の廃用性萎縮(使わないことによる筋萎縮)の防止
科学的根拠(エビデンス)
国内外の臨床研究では、鍼通電療法を薬物療法と併用することで、回復率の向上や回復期間の短縮が報告されています。
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「Bell麻痺に対する鍼治療のランダム化比較試験」では、発症後7日以内に鍼通電を開始した群で、
3〜6週時点の House-Brackmannスコア(顔面神経麻痺重症度) が有意に改善したと報告されています。 - 日本鍼灸師会・東洋医学系大学の臨床報告でも、電気刺激を併用した群がより良好な回復率を示す結果が多く見られます。
治療の実際
顔面神経麻痺に対する鍼通電療法は、以下のような方法で行われます。
- 使用経穴:陽白、四白、頬車、地倉、下関、翳風など
- 通電方式:低周波(2〜10Hz)または混合波
- 治療頻度:週2〜3回、3〜6週間程度が一般的
- 注意点:急性期(発症1〜2週間以内)は強刺激を避けることが推奨されます。
注意点・限界
- 重度の神経断裂や発症から3か月以上経過した遅発性症例では、効果が限定的です。
- 医学的にはステロイド療法+抗ウイルス薬が第一選択であり、鍼通電療法は補助的なリハビリ療法として位置づけられます。
- 顔面けいれんや異常共同運動(シナキネシス)を防ぐため、刺激の強さを適切に管理することが大切です。
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