アトピー性皮膚炎

<背景・疫学>
アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う湿疹が、全身または部分的に発生する病気。よくなったり悪くなったりを繰り返すという特徴がある。
他のアレルギー疾患と同じく近年増加傾向にあり、厚生労働省の調査によると1歳半・3歳児の発症率は平成4年から平成13年にかけて1.5倍から2倍弱に増加している。

<原因>
アトピー性皮膚炎の原因は、これまでに完全には明らかにされていないが、さまざまな要因が複雑に関わることで発症すると考えられている。
たとえば、家族内でアトピー性皮膚炎を抱える方がいると、子供にも同じくアトピー性皮膚炎を発症する可能性が高まることから、遺伝的・体質的な要因が関わっていると想定されているが、家族歴があるからといって必ず病気の発症に至るというわけではない。
また、皮膚の保湿やバリア機能が損なわれる環境で病気の発症リスクが促進される可能性が指摘されている。
たとえば、ダニやハウスダストに代表されるアレルゲンの影響や細菌感染、体質に合わない洗剤などもそのリスクとなる。
小児の皮膚の場合、成人に比べてまだ層が浅いこと。生後一ヶ月までは皮脂の分泌量が多いこと。乳幼児は角質の水分量が成人に比べて少ないことが原因と考えられる。

<一般的治療法>
アレルゲンとの接触をなるべく減らし、皮膚のバリア機能を高めることが求められる。
家庭環境においては、例えば、ダニ、ハウスダストとの接触を減らすために生活環境を清潔にする、カーペットの使用を避けるなどが指導される。
皮膚の症状がある場合は、塗り薬(ステロイド、アトピー性皮膚炎治療薬)が用いられるほか、かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の処方がされる。
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