足関節捻挫
スポーツ外傷の中でも特に多く、全体の約3割とも言われています。骨と骨をつなぐ関節がねじられ、骨以外の靱帯(じんたい)を含む関節包や筋肉などの軟部組織が損傷した状態です。最近では靱帯損傷と捻挫は区別することも多いようです。さらに関節面がずれたり、外れたりした場合はそれぞれ亜脱臼(あだっきゅう)、脱臼といいます。
内反捻挫による外くるぶし下の前距腓靱帯、後距腓靭帯、踵腓靭帯の外側靭帯の損傷が大部分を占め、中でも前距腓靭帯の損傷が最も多い部位となります。
外反捻挫の場合には、多くは三角靭帯を損傷します。内反外反共に、靭帯だけでなく対面側の骨同士の衝突や挟み込みによるトラブルが発生する場合もあります。
捻挫や靱帯損傷は最初にきちんと固定しないと、靱帯などが伸びたままになり安定性がなくなり、少しのきっかけで再度捻挫することがあります。これがいわゆる「捻挫が癖になっている」という状態です。
原因
外力により関節に異常運動が生じ、関節を支えている靭帯や関節包が損傷します。滑ったり、足の上に乗ったりすると、急激な内反が矯正され外側にある前距腓靭帯などが伸びたり断裂します。足関節は外反より内反方向に可動性が高い関節です。
- 外反をしようとすると、外果が邪魔になりあまり動くことができませんが、内反は内果の下が空洞になっているため、距骨が動きやすい構造になっています。
- 内側の強固な三角靭帯に比べると、外側の靭帯の強度は弱くなっています。
この2つが内反捻挫の多い理由です。
バレーやバスケットプレーの際にジャンプの着地で人の足の上に乗り、足関節の内反が強制された場合や床で滑って足をひねった場合、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどにみられる接触プレーをはじめ、野球のスライディング、体操競技、テニスに多く発生します。
損傷程度分類
第1度 | 第2度 | 第3度 |
---|---|---|
・靭帯の1部分の線維断裂 ・関節包は無傷 ・軽度の腫脹と疼痛 |
・靭帯の部分断裂や伸張 ・関節包損傷 ・腫脹、疼痛、関節血症、関節不安定生 |
・靭帯の完全断裂 ・関節包断裂 ・第2度の増強 |
競技復帰:当日~3日 | 競技復帰:2~3週間 | 競技復帰:1~2ヵ月 |
状態次第でテーピングやサポーターが必要 | 装具やテーピング、副木固定が必要 | 医療機関での治療 (ギプス、装具による強固な固定or断裂靱帯の縫合手術)が必要 |
走行可能 | 歩けるが走れない | 自分で歩くのがやっと |
受傷時の対応
足関節捻挫に関わらず、外傷を負った際、適切な応急処置がケガの程度を最小限に とどめ、早期治癒につながります。また、捻挫だからと過信せず早めに病院受診しましょう。
再発予防
捻挫癖にならないように捻挫をあまく見ず、完治まで根気強く治療とリハビリをすることが重要です。
捻挫を繰り返す原因として、靭帯そのものの緩みで足関節の不安定性が生じている可能性が考えられます。軽度の不安定性であればリハビリで改善できることもありますが、損傷靭帯のサポートとなる足関節周囲の筋肉も強化する必要があります。
足関節の背屈制限があることで障害発生率は2.5倍(背屈可動域が正常の45°から35°に下がった場合)になると言われており、特に足関節捻挫の発生は5倍以上になることが報告されています。その他、足関節だけでなく体幹や股関節、膝関節といった全身の筋力を強化することにより、体の崩れを防ぎ、捻挫をしにくい姿勢をつくることが大切です。また、外的 なサポートとしてテーピングやサポーターも予防には有効です。
さらに重度の場合、手術で靭帯修復をする場合もあります。放置すれば、将来的に変形性関節症へと発展することもあるので、注意が必要です。いずれにせよ、再発を予防するためには、しっかりとした体の軸をつくり、柔軟性を高め、適切な動作を身に付けることが大切となります。
メディカルジャパンでの介入法
何度もお伝えしているように、捻挫は完治までの適切な治療とリハビリが重要です。弊社に導入している伊東超短波ES–530のマイクロカレント療法は、医療の現場では、骨や筋肉などの損傷の修復や術後の回復のためにも利用されている治癒促進プログラムです。
軽度の段階から強い痛みまで幅広く使用でき、組織修復に重要な役割を果たしている損傷電流と同レベルの微弱な電流を流すことで、傷ついた組織の修復を早めます。神経や筋肉の興奮を伴わない微弱電流のため、痛みや刺激感はほとんどありません。
また、日常生活や競技復帰のためのリハビリも入念に行なっています。日頃運動をされない方への復帰プログラムや競技復帰を目的としたリハビリプログラムなど、お一人お一人に合わせたプランが提供可能です。
レッドコード
再発予防のためのトレーニングには、リハビリ先進国で開発されたスリングセラピー、レッドコードを使用し、荷重をかけなくても行える体幹トレーニングなども取り入れています。
オペ後のリハビリも行なっておりますので、病院との併用も可能です。その際、通院先の病院と連携を取り、今後の方向性の確認や進捗などを随時行いますので、気兼ねなくご相談ください。